パン生地の発酵

      2017/08/05

パン生地発酵の表題

パン生地は、捏ねた直後と形を作った後(成形した後)の2回発酵させます。
なぜ2回発酵があるのでしょうか。

捏ねた直後の発酵と成形後の発酵に違いはあるのでしょうか。
発酵の目的・方法について調べていきたいと思います。

 

捏ねた後の発酵(1次発酵)。

強力粉・イースト・水・塩・砂糖の材料を捏ねてパン生地を
作った後に発酵させることを1次発酵といいます。
この1次発酵の目的は、捏ね上げた生地をイーストとグルテンの
働きによって、グルテンにしっかりと風船のような役目を持たせ
ふかふかの生地に変化させること
もう一つは、パン生地の風味を引き出すことです。

発酵の工程では、イーストの働きによって、
炭酸ガスやパンの風味、アルコールが発生します。

この発生した炭酸ガスを包み込むのがグルテンです。
ゆっくりとガスや風味を発生させて、
ふっくらとしたパン生地になってゆくのです。

イーストの活動。

イーストは、35°前後が活動が活発になります。
この1次発酵では、発酵が早く進んでしまうと
パンの風味が出る前に次の工程に進まなくてはいけなくなりますので、
高すぎる温度での発酵には、気を付けてください。
(イーストは、60℃以上になってしまうと、
活動しなくなってしまいます。)

目安は、30°くらいです。

粉とふるい

発酵方法。

夏場と冬場では、発酵方法が違います。

夏場は、捏ね上げた生地をボールに置いて、
ラップをかけて、おいておくだけで発酵を始めますが、
冬場は、同じようにしても発酵は進みません。

冬場は、捏ね上げた生地をボールに入れて、
人肌くらいに温めたお湯の上にボールを置いて
全体をビニール袋で覆って発酵させます。

温めずに、そのままの状態で発酵させると温度がどんどんを
下がっていってしまい、イーストの活動がにぶくなるからです。

 

他には、オーブンの発酵機能を使うと
温度を設定出来るので、発酵させやすいです。

春や秋は、生地を入れたボールをラップをかけて
日の当たる温かいところに置いておくと、
発酵させることが出来ます。

この方法での注意点も温度の上がりすぎです。
体感は熱くなくても、実際に太陽光を浴びている
パン生地は、思っている以上に熱くなることもありますので、
時々様子を見て、発酵の状態を確かめてあげてください。

 

そのままの状態で発酵させることが出来るという点では、
春や秋がパンを作りやすい季節だと思います。

2次発酵(成形終わりの発酵)。

成形が終わった後に発酵させるのは、
2次発酵と呼びます。

この2次発酵の目的は、
生地を成形した(生地をかたち作る)時に、イーストの働きによって
生まれたガスが生地から抜けてしまっているので、
もう一度ふっくらとした生地にさせること
目的となります。

なので、イーストの活動をすぐに活発にさせてあげたいので、
1次発酵の時よりも高い温度で、
発酵させることが必要となってきます。

なので、37℃前後が目安となります。

 

この2次発酵の時に注意する点は、
クロワッサンなどバターを折り込んだ生地の場合は、
高い温度で発酵させてしまうと、
バターが溶けだしてしまうので、
バターを折り込んである生地は、
高い温度で発酵させないでください。

せっかく、丁寧に折り込んだバターが溶けだしてしまうと、
さっくりとした食感が無くなってしまうので

ここで生地を再びふっくらさせた状態にして
オーブンに入れて、焼きあがていくのです。

 

焼いている時も発酵しますので、
2次発酵のさせすぎには、注意してください。

発酵が出来た!と思ってオーブンの予熱を始めると
発酵させすぎになってしまうので、
もう少しなかと思ったところで、
オーブンの予熱は、始めてください。

オーブンの予熱中も、パン生地が発酵し続けていることを
忘れないように。

 

粉とりんご

まとめ。

1次発酵と2次発酵の目的の違いがあるので、
発酵させる温度に違いを持たせて、
発酵させてみてください。

目的の違いを知れば、美味しいパンを焼くことに近づきますよ。

1次発酵は、捏ねあがった生地をふっくらと
パンの風味を持たせるための発酵

2次発酵は、成形でふっくら感が失われた生地を
もう一度張りを持たせる為の発酵

発酵にもそれぞれ目的があることが分かれば、
発酵の温度や時間の調節もしやすくなりますよね。

 

 - パンの作り方のコツ